2025.10.15お知らせ
2025年度グッドデザイン賞を受賞!ホールドワン 省施工吊りバンド「SST」
因幡電機産業株式会社 因幡電工カンパニーのホールドワン 省施工吊りバンド「SST」製品が、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「2025年度グッドデザイン賞」を受賞いたしました。
建築現場で広く使われている配管支持金具の吊りバンドは、天井付近での高所作業が多く、配管を仮保持する際には、両手作業と工具を使用して配管や吊りバンドを支える必要があり、作業負担が大きくなりがちでした。そのため、作業員の人数確保や工数の増加、さらにはミスによる配管の落下事故といった課題がありました。
一方で、建設業界では深刻な人手不足と高齢化が進み、現場の生産性向上が急務となっています。こうした背景のもと、「誰でも、どこでも、施工が簡単にできる」吊りバンドを実現するため、ホールドワン 省施工吊りバンド「SST」を開発しました。
ホールドワン 省施工吊りバンド「SST」は、配管を天井から全ねじボルトで吊る際に使用する吊りバンドで、SGP管・塩ビ管の幅広いサイズ※1に対応しており、「(1)下から押し上げて仮保持 (2)ナットを締める」の2工程に短縮する画期的な構造を採用しています。また、ボルト締め付け状態を目視確認できる“ボルト先端カバー”を搭載したことで、ナットの締め忘れによる施工ミスを抑止します。
人手不足が深刻化する建設現場において、施工者の視点で「何を省けるか?」「どうすれば安心できるか?」を突き詰めた構造で、省力化と安全性に直結する“目立ちはしないが重要な設備部品の新技術”です。
※1 SGP管 呼び径15~100、VP/VU管 呼び径16~100
--------------------------------------------------
受賞理由(審査員のコメント)
このような製品の普及は作業工程の効率化はもちろん、施工の質にもおいても大きく寄与できると考える。作業工程は表面化するものだけではなく、見えない部分へのアプローチは大きな意味があり、施工時間を約70%削減、仮保持作業が5秒で完結するという簡略化は職人不足と言われる状況へも少なからず貢献できる。
--------------------------------------------------
製品特長
■圧倒的なスピード施工、人員不足の解決
従来の吊りバンド施工では、仮保持から本締めまでに6つの工程※2が必要でした。ホールドワン 省施工吊りバンド「SST」では、配管を下から押し上げて仮保持し、ナットを本締めするだけの2工程で完了する構造を採用しています。ナットを取り外すことなく、押し上げ動作のみで仮保持が可能なため、既存製品と比べて施工時間を約70%短縮できます。
また、施工を簡易にすることで属人化を抑え、経験の少ない作業者でも安全かつ確実に施工が行えます。省施工化による工期短縮は、発注者・設計者・施工者のいずれにとってもメリットがあり、建築現場全体の生産性向上に貢献します。
※2 (1)ナットを外してバンドを開く (2)ナットを取り付ける (3)配管を合わせる (4)ナットを再び外す (5)バンドを閉じて仮締め・仮保持 (6)ナットを本締め
■施工の確実性、安全性
ボルトの締め付け状態を一目で確認できる「ボルト先端カバー」を搭載しました。ナットの締め忘れによる施工ミスを防ぐことを目的に開発したもので、施工完了後はボルト先端カバーが突出しているかを確認するだけで、確実に締め付けが完了していることを判断できます。また、高所や狭所、暗所での使用を想定し、蛍光カラーの樹脂パーツを採用しました。これにより、視認性が高まり、確認作業をより安全かつ効率的に行うことができます。
ホールドワン ブランドサイト:https://www.inaba-denko.com/ja/holdone
ホールドワン 製品詳細ページ:https://www.inaba-denko.com/ja/product/detail/3187350000
---------------------------------------------------------------------------
グッドデザイン賞とは https://www.g-mark.org
グッドデザイン賞は、デザインによって私たちの暮らしや社会をよりよくしていくための活動です。1957年の開始以来、シンボルマークの「Gマーク」とともに広く親しまれてきました。製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスなど、私たちを取りまくさまざまなものごとに贈られます。かたちのある無しにかかわらず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえ、その質を評価・顕彰しています。
さらに、複雑化する社会において、課題の解決や新たなテーマの発見にデザインが必要とされ、デザインへの期待が高まっています。グッドデザイン賞は、審査と多様なプロモーションを通じて、デザインに可能性を見出す人びとを支援し、デザインにできること・デザインが生かされる領域を広げ、私たちひとりひとりが豊かに、創造的に生きられる社会をめざしています。
また、デザインの優劣を競う制度ではなく、審査を通じて新たな「発見」をし、Gマークとともに社会と「共有」することで、次なる「創造」へ繋げていく仕組みです。