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2023.08.08お役立ち情報

「建築基準法上の区画」と「消防法上の区画」について解説!|INABA note vol.7

INABA note vol.6で「国土交通大臣認定」と「消防設備安全センター評定」について解説!」の「認定」や「評定」をご紹介しましたが、今回は「建築基準法」と「消防法」に関係する「3つの区画(防火区画、共住区画、令8区画)」について解説します。

1. 建築基準法について

建築基準法とは、建築物の敷地・構造・設備、用途に関する最低の基準を定めた法律で、国民の生命・健康・財産の保護等を目的としています。
建物を設計したり建築する際には、都市計画によって区分けされた地域の規制を守り、建築基準法に則った建物を建てなければなりません。
また制定以降も、大地震による建物の被害、社会問題や建築技術の変化などに合わせて改正されています。

1-1建築基準法上の区画:防火区画とは?
建物の内部で火災が発生した場合に火災の拡大を最小限に抑えて、円滑な避難ができるように一定の規模や場所ごとに火災に強い「床・壁」で、立体的に区切りした部位を「防火区画」といいます。
この時に開口部や配管等の貫通部が弱点となりやすいため、防火区画を貫通する配管工事で求められるものとして、前記事で紹介しました「認定(国土交通大臣認定)」があります。


2.消防法について

消防法とは、火災の予防や警戒、鎮圧、また火災や地震等の災害による被害の軽減、災害等による傷病者の搬送を適切に行うことを目的とした法律です。
例えば、大規模商業施設・大学・病院などは防火管理者を定めて、避難訓練や消防・消火のための設備点検や整備を行うこと等が、消防法によって義務付けられています。
一般住宅に関しては、マンション・一戸建てなど寝室がある建物には、住宅用火災警報器の設置義務などが消防法に規定されています。

2-1.消防法上の区画:共住区画とは?
「特定共同住宅」の住戸等は開口部のない耐火構造の床または壁で区画する必要があります。この区画が「共住区画」と言われます。
「防火区画」と同様に開口部や配管等の貫通部は耐火性能の弱点になるため、共住区画を貫通する配管工事で求められるものとして前記事で紹介した「評定(日本消防設備安全センター)」の「性能評定」があります。
※「特定共同住宅」とは一般的な「共同住宅」とは異なり、一定の法令基準を満たした建物をいいます。

2-2.消防法上の区画:令8区画とは?
消防法で定める区画にはもう一つ「令8区画」があります。「令8区画」とは消防法施行令第8条に規定される、開口部のない耐火構造の床または壁の区画の略称です。
令8区画は原則として配管等を貫通することは認められていませんが、必要不可欠な給排水管でかつ一定の条件を満たした場合は配管貫通が認めれらます。
※共住区画:特定共同住宅の住戸等と住戸等または住戸等と共用部分を区画する床・壁。
※令8区画:区画された部分については別の防火対象物として取り扱うことが可能な防火対象物を区切るための床・壁。


3.建築基準法と消防法の区画貫通処理方法について

建築基準法で規定する「防火区画」、消防法で規定する「共住区画」「令8区画」は、それぞれの法令に基づいた区画貫通処理が必要です。

■建築基準法上の区画「防火区画」の区画貫通処理
建築基準法で規定されている「防火区画」の区画貫通処理は、認定(国土交通大臣認定)を取得した製品での施工が認められています。貫通部に国土交通大臣認定を取得した耐火製品を正しく施工することにより、求められる防火区画の耐火性能を保持できます。

■消防法上の区画「共住区画」の区画貫通処理
評定(日本消防設備安全センター 性能評定)は「共住区画の区画貫通処理」の指針となっています。
そのため消防法で規定されている「共住区画」の区画貫通処理は、日本消防設備安全センター 性能評定を取得した耐火製品を正しく施工することにより、共住区画の耐火性能を保持できます。

■消防法上の区画「令8区画」の区画貫通処理
共住区画と同じく、消防法で規定されている「令8区画」の区画貫通処理は、日本消防設備安全センター 性能評定を取得した耐火製品で区画貫通処理を行うことができます。

(注)本解説では読みやすさを考慮して「建築基準法施行令」など「建築基準法」に関連する事項をまとめて「建築基準法」と表記し、「消防法」も同様に関連する「省令」などを含めて「消防法」と表記しています


区画貫通部の処理は、建築基準法に基づく処理または消防法に基づく処理のどちらの施工が必要かを確認した上で、防火区画貫通部材(耐火製品)を選択する必要があります。

因幡電工Webサイトでは、工事カテゴリ別、構造や開口の形状、国土交通大臣認定や日本消防設備安全センター 性能評定等を入力すると必要な防火区画貫通部材(耐火製品)が選定できる「防火区画貫通部材 耐火選定ツールをご用意していますのでぜひご活用ください。

防火区画貫通部材 耐火選定ツールはこちら >


【「建築基準法上の区画」と「消防法上の区画」について解説!|INABA note vol.7】

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